アメリカ人に持つイメージの中の一つに、彼らが見せるあのオーバーリアクションがあると思います。日本人からすればオーバーに見えても、本人たちに取ってはなんでもない自然なリアクションなのかもしれない。だけど、夢の国のお化け屋敷アトラクションで聞いた、演出の一部かと思う程の[大きな叫び声]はお客さんによるものだったし、映画を観ていたら目の前の親子がエンディングロールのメロディに合わせて踊りだしたし、大自然を満喫しにヨセミテ国立公園へ行ってシャトルバスに乗れば、バス運転手さんの「準備はいいかー!」のかけ声に「yeahー!!!」と返す乗客たちに囲まれるし、それはそれは楽しいリアクションで溢れているのです。一人ひとりがエンターテイナーで、その場を作り上げていくこの感じ、好きです。まだまだ日本では真似できないなぁと羨ましくもなる。
そんな中、これはさすがにやりすぎでは・・・と思う事もあります。世界的に有名な大道芸エンターテイメント集団、シルク・ド・ソレイユがラスベガスで開催しているショー、”ズーマニティ”を観た時のこと。同集団が行う数々のショーの中で、唯一年齢制限付きのアダルトショーである”ズーマニティ”では、ステージに立つパフォーマーの殆どがパンツ一丁(orかなり際どい衣装)で歌ったり踊ったりと大道芸をしたりと、次々にパフォーマンスを披露していきます。はじめは全てが丸出しな事に目を奪われるものの、その圧倒的な身体能力にすぐ、気にならなくなるから凄い。ご想像どうり観客たちのリアクション、コールに対するレスポンスがとにかく激しいのです。私の後ろの列のおじいちゃんは、終始「オーマイガー!」「オーマイガー!」を連呼するし、映画のワンシーンで見かけるような「いい女だなぁヒュウ〜♪」って感じの口笛を随所で吹いてくる。リアルにそんな口笛を吹くのか!と、可笑しくてたまらなかったです。
何より凄かったのは客席から選ばれてステージに上った白髪の可愛らしいおばあちゃん。次々と司会のお姉さんの要望(踊って??とか、投げキッスして??とか)に応えていき、最終的に半裸でマッチョな男性パフォーマーの上に跨がって満面の笑みで腰を振り出す。あまりの出来事に私は目が点。いやいやいや、そこまでやる!?
えっ待って・・・「ぎゃーー! やめておばあーーーちゃーーーん!!!」。
心の中ではなく実際声に出して叫んでしまった。だっておばあちゃんだよ?
一緒に来てたおじいちゃんも目の前で見ているんだよ?
(そのおじいちゃんには、司会の兄さんがバナナをくわえさせようとして断られた。当たり前だ、ばかやろう。)もう凄すぎる。
さすが賛否両論でレビューが荒れに荒れているズーマニテイ。(最高のショー!と書いている人と、最低、絶対に観ないで!と書いている人と分かれる。)
道徳を説く側であろうおばあちゃん(とても上品そうな方だった)が、あんなことやそんなことノリノリでやってしまうなんて。「アメリカ人ってノリ良いよね〜」の一言では片付けられません。自分のおばあちゃんに置き換えて考えてみると、それはもショック過ぎて、一体全体アメリカはどうなってるんだ・・・と心のツッコミが止まりません。
おばあちゃんのその好演すぎる好演に対して観客たちは歓声をあげ盛り上げるし、その歓声にまたおばあちゃんも応えるし。 私は今とんでもない空間にいるぞ・・・。
なんなんだここは・・・と、整理がつかないままショーは進んでいき、フィナーレではこれ以上にないカオスな光景が目の前に広がり、終演を迎えた時にはもう放心状態。
人に勧められて前情報もなく一人で観に行った為に、この溢れんばかりの感想を共有できる人もおらず。ただただ、なんかもの凄いものみたぞ・・・状態。(笑
約一時間半のショーの間、理解しきれないアメリカンジョークが飛び交い、クレヨン
しんちゃんなら飛んで喜びそうな、とてもストレートで品もなにもない下ねたのオンパレード。多くのアメリカ人が爆笑して楽しむ中、日本のお笑いに慣れ親しんでいた私は、えっと、今のはなにが面白かったの?笑いどころどこだったの? と、ハテナが頭の上に浮かびっぱなしでした。
※今回ではありませんが、公演中に事故で亡くなられたシルク・ド・ソレイユ団員さん のご冥福をお祈りいたします。
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